目黒花森
親子三代の家具

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 合成樹脂系の固い塗料で表面を覆ってしまう一般的な家具塗装とは異なり、松本民芸家具の塗装は木肌が呼吸できるように開発された独自のものです。木肌は塗装面を介して、空気中の湿気を吸ったり、吐いたりして呼吸しています。そのため、お使いはじめの松本民芸家具の塗装はその性質上、柔らかく傷つきやすいものです。例えば、器を引きずったりすると傷がついたり、熱い器を直接置くと表面が白く変化したりします。
 ただ、そういった表面の傷などはずっと残ってしまうわけではありません。水拭きを重ねることにより、表面の柔らかい塗装表面が徐々に薄くなり、また、木目が浮き出てくるように色が抜けてきます。長年使用していただければ、あめ色で艶のある美しい家具になります。
 この過程で、表面についた擦り傷や変色などは目立たなくなっていきますし、多少の熱やその他のことにも強くなってきます。とはいえ、なるべく傷つかずに使っていただくために、以下のことにご注意ください。

  • 座卓やテーブルの天板には、直に熱い物を置かず、お盆や茶托などを敷いてお使い下さい。
  • テーブルクロスを敷く場合は、ビニール製の物は避けて下さい。木肌が呼吸できなくなるばかりでなく、塗料に張り付いてしまう場合があります。
  • 除光液など、溶剤の含まれている物をこぼすと塗料が溶けたり、シミが残ったりすることがあります。
  • 底がザラザラした器などを直接置くと傷になることがあります。
  • テーブルには、食事中などにどうしても油がこぼれます。このような油汚れがたまってきますと、表面がベタベタしてきます。そのような場合は洗剤などで表面の油汚れを落として下さい。洗剤で掃除した直後は、表面が白く曇ったようになりますが、その後水拭きを続けていただければ元に戻ります。年に1〜2回ほど定期的に洗剤での掃除をしていただくことをお勧めします。

 

 長年の使用の間には家具(木材)は必ず乾燥してきます。過度の乾燥は家具の狂いの原因になります。過度の乾燥を避けるため、日頃から固く絞った雑巾で水拭きを行い、木に適当な水分を与えて下さい。

 本来、無垢材の家具というのは、工場で出来た時がその製品の完成ではありません。お客様の手に渡って磨き使い込まれ、より美しく育っていく過程が完成した時であると言えます。
 梅雨時など、お部屋に湿気の多い状態が続きますと、家具が湿気を吸い過ぎて、タンスなどの引き出しが固くなることがあります。その場合は、お部屋の湿気を取る対策をして下さい。引き出しがどうしても開かない場合は調整を承ります。
 バタフライテーブルや洋服タンス、ライティングビューローの蝶番、金具付きタンスの金具は鉄製ですので、錆びることがありますが、油を染み込ませていただければ使用上問題ありません。ミシン油などの潤滑油を定期的に蝶番部に染み込ませて下さい。
 著しく汚れた場合は塗り直しも有料にて承ります。
お手入れ

 

 

目黒花森2006