部屋のコーディネイト
![]() 壁いっぱいに収納家具の扉を作って、部屋の形もなにもなく、ただ収納されるだけでよいと考えると、その部屋は納戸になってしまいます。住んでいる本人も、10年20年と経つと教養も豊富になり、家族形態も変わってきます。その時また建築屋さんを入れて作り直さなければなりません。部屋の中に家具を置くと狭くなるからと言われますが、家具を置くと思ってその分広くしておけばよいことで、自分の部屋を使いよいように気分を変えたり、コーディネイトすることが必要です。 柱、敷居、鴨居が良い色になってきても、合板を張り付けて簡単な塗装で作ってある壁面収納家具では、時が経つにつれて飽きてしまうものです。考え方によって、親子3代もつ家具を作っても、家がもたないと言われる人もいます。しかし、在来工法の家は手入れさえ良ければもつものです。奈良の法隆寺は修理をしながら1300年も使われているのではありませんか。 自分の生活を大切にするならば、自分に合った家と部屋を選べばよいことであって、家具も家族に合わせ移動すればよいのです。ホテルの一室のように、合理的であるということだけで作りつけの家具では、住む人の心もロマンも感じられません。そこで私達が勧めている生活の美化運動、民芸運動が必要だと思います。物を造る、大切に使う、それにより生活の中に美しさが出てきます。たとえば玄関は一番来客が多い場所ですし、一番最初にその家に住む人達の趣味がわかる場所です。そこに下駄箱を作るなら、壁面一杯に作るようなことはせず、程良い高さにして、一輪の花を活けるとか、一枚の絵を飾ってみるとかすれば、お客様もホッとすると同時に、忙しい皆様も我が家に帰ってそれなりの気持ちになると思います。 |