木は水を必要としている

 ついこの間まで、どこの家庭でも廊下や柱を水雑巾で一生懸命拭いて来たと思います。なぜ木を水拭きして綺麗になるのでしょうか。廊下にキズをつけてしまっても、水拭きをしていくと盛り上がって直ってきた経験を持った人も大勢いたと思います。
 現在の建築ではどうでしょうか。手入れを省き、掃除を楽にするために、プラスチック系の塗装、不必要なワックスで固めてしまうために、木の本当の感触を味わえないのです。塗装をするにしても、木の表面をもっと自然に出来る塗り方ももあるのです。
 木の床で冬は木と木の間が開いて、夏はピチッと隙間がなくなることを知っていますか。ムクの木で出来たテーブルでも同じ事なのです。幅が1m位で夏と冬では5m程度違うのです。木によって違いますが、5年10年経ってもそれは繰り返されるのです。それは自然の摂理なのです。ですから作る職人はその差を考えて木を組み立てていかなければならない。ただムクの木だといばっていても、その木の性質を良く知らなければ、長持ちする家具は出来ない。そのために色々の組み手やほず組もあるのです。職人の修行が10年もかかるのは、それらを良く知って物作りが出来るようになるまでかかるのです。
 今の多くの家具は違っている。たった5mmの違いでも足がぐらついたり、横板が剥がれてしまったりして困るので、プラスチック塗装で固めてしまい、塗装の中では木の抜け殻になってしまうのです。
 私達はテーブルを水拭きして下さいと提案しています。まず第一に綺麗になる。そして自然の摂理を手助けしてやるのです。それにより親から子へ永く使っていただきたい。洗剤などは使ってはいけません。自然を破壊するのです。手のひらで触れてみてください。自然の潤いを感ずる事が出来るでしょう。是非、花森家具に来て感触を味わってください。